大腸ポリープとは、大腸の粘膜からできる小さな隆起(こぶ)のことです。すべてのポリープが危険なわけではありませんが、特に「腺腫性ポリープ」は注意が必要です。腺腫性ポリープは組織学的には良性(腫瘍性)ですが、腸の細胞に異変(異形成)を起こしており、時間が経つとがんに変わる可能性があります。非腫瘍性のポリープ(過形成ポリープなど)とは違い、腺腫性ポリープは「前がん病変」とされる重要なものです
腺腫性ポリープは放置するとどうなる?
腺腫性ポリープが問題なのは、多くの場合「腺腫-がん連鎖(Adenoma‐carcinoma sequence)」という経路で大腸がんに進展するからです。正常な大腸粘膜から直接がんができるのではなく、まず腺腫性ポリープができて徐々に大きく育ち、その中でがん細胞が生じると考えられています。腺腫が大きくなるほど、また組織が絨毛状(毛のような形)になっているほど、がん化しやすくなります。したがって、ポリープの段階で切除することは「将来できるかもしれないがんの芽を摘む」ことに直結し、予防的に非常に重要です。
大腸がんの症状と早期発見の大切さ
残念ながら、大腸がんの初期は自覚症状がほとんどありません。初期段階では、小さなポリープや早期のがんだけの場合は血便や腹痛といった異変がまったく出ないことも多いのです。そのため、「お腹に違和感が出てから気づいた」では遅く、すでにがんが進行しているケースもあります。逆に、定期検診で見つかれば「早期のうちに治療して完治を目指せる」点が大腸がんの特徴です
がんがある程度進行すると、以下のような症状が現れることがあります:
– 血の混じった便や黒っぽい便(血便)
– 下痢・便秘などの便通異常
– 便の形が細くなる
– お腹の痛みや膨満感
– 貧血(体の中でじわじわ出血するため)
– 体重が減る
これらの症状が現れる頃にはすでにある程度進行しているため、症状が出る前に検査で見つけることが早期発見のカギです。
内視鏡検査(大腸カメラ)のメリット
大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)の最大のメリットは、もし腺腫性ポリープが見つかった場合、その場で切除(ポリープ切除術)できることです。検査中にポリープを発見したら、そのまま検査の流れの中で切除します。そのため、一度の検査でポリープを発見・切除してしまうことで、将来のがん発生リスクを大幅に下げることができます。なお、2cm以上の大きいポリープや血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいる場合は、当日の切除が難しい場合もありますが、通常は別の日に日帰りでポリープ切除を行うケースがほとんどです。
便潜血検査との違いと限界
一方、便に血が混じっていないかを調べる「便潜血検査」は簡単で負担が少なく、40歳以上では年1回の受診が推奨されています。便潜血検査は、目に見えない微量の血液を検出し、大腸がんの簡易スクリーニングに使われます。ただし便潜血検査には大きな限界があります。進行した大腸がんであれば検出率は60~75%と比較的高いのですが、早期がんや小さな腺腫性ポリープは検出率がかなり低く、3~4割程度まで下がります。特にポリープはほとんど出血しないことが多く、便潜血検査で検出できる割合は20%未満とも言われています。つまり、便潜血検査が陰性でも「安心しすぎない」ことが大切です。
まとめると、便潜血検査は「進行したがんのスクリーニングには有効」ですが、「早期のがんや腺腫性ポリープを見逃す可能性がある」検査です。陽性の場合は必ず大腸カメラで精密検査を受ける必要がありますが、便潜血検査だけで十分ではないことを理解しておきましょう。
古橋医院の大腸内視鏡検査の特徴
当院・古橋医院では、最新の内視鏡機器と専門医による「苦痛の少ない内視鏡検査」を提供しています。予約は24時間インターネットで受付可能で、患者さんの都合に合わせてスムーズに検査日を決められるので、待ち時間も少なく済みます。2023年には最新型の大腸内視鏡を導入し、微細な病変も見逃しません。見つかった病変の状態に応じて、鎮静下(眠った状態で)でポリープを切除しています。
また当院では麻酔(鎮静剤)を使って検査を行うことができます。実際に「検査中に寝ているうちに終わった」という声も頂いており、恐怖感や痛みの心配はほとんどありません。専用のリカバリールームで検査後ゆっくり休んでいただくので、体への負担も小さく、安心して大腸カメラを受けていただけます。
40代以上で検査を受けていない方へ
大腸がんは「高齢者だけの病気」ではありません。実は40代から発症率が増え始め、50代以降で急増します。つまり、40歳を過ぎたら検診を受けておくことが大切です。日本では40歳以上の方に毎年の便潜血検査が推奨されていますが、先ほど述べたように便潜血検査だけでは見逃しがあるかもしれません。症状がなくても定期的に大腸内視鏡検査を受けて、ポリープやがんの早期発見を目指しましょう。
「まだ若いし大丈夫」と思わず、一度も検査したことがない方はぜひ検査をご検討ください。大腸がんは早期に見つかれば治療が簡単なうえ、ほぼ完治が期待できます。体調に少しでも不安があれば、早めの検査で安心を得ることができます。
よくある不安への回答
- 痛みはある?
麻酔(鎮静剤)を使って検査を行うので、検査中の痛みや不快感はほとんど感じません。多くの方は「いつの間にか終わっていた」とおっしゃいます。 - 検査にかかる時間は?
大腸カメラ検査自体は15~20分ほどですが、前処置(下剤を飲む)や麻酔の覚醒時間を含めると約1時間〜1時間半日程度で終了します。ただし、個人差がありますので、基本的に一日中スケジュールを空けておいてください。 - 費用はどれくらい?
健康保険適用の場合、大腸カメラ検査(観察のみ)にかかる費用は3割負担でおおよそ6,000円程度です。ポリープ切除が必要になると、その治療費は別途かかります(切除手術:保険3割負担でおよそ2~3万円程度)。初診料や下剤代も含め、この範囲内です。詳細は保険医療機関で相談可能です。
当院の大腸カメラ検査は「苦痛が少なく安心」です
「痛くない胃カメラ・大腸カメラ」をモットーに、初めての方でもリラックスして受けられる内視鏡検査を提供しております。その特徴をいくつかご紹介します。
- 鎮静剤による苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ(初めてでも安心): ご希望に応じて静脈麻酔(鎮静剤)を使用し、ウトウト眠っている間に検査を行います。のどの違和感や嘔吐反射(オエッとなる感じ)を大幅に軽減でき、苦痛の少ない検査が可能です。検査中は脈拍・血圧・酸素濃度などをモニターで監視し、安全管理も徹底しています。内視鏡検査が初めての方もどうぞご安心ください。
- 最新のオリンパス内視鏡による鮮明画像で早期発見: 2023 年に導入したオリンパス社製の最新式内視鏡システム(EVIS X1)により、従来よりも高精細な画像で胃粘膜をくまなく観察できます。特殊な光の画像強調機能も備えており、微細な病変も見逃しません。最新機器を駆使した精密検査で、胃がん・大腸がんの早期発見に努めています。
- 大学病院で 10 年以上の経験を積んだ内視鏡専門医による検査: 検査は消化器内視鏡の専門医が担当します。東京慈恵会医科大学附属病院の内視鏡科で13 年間にわたり専門診療と研究に携わった経歴を持ち、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医の資格も取得しているエキスパートです。胃がん・大腸がんの早期発見から内視鏡治療まで精通しており、培った経験と技術を活かして質の高い検査を行います。
大腸カメラ検査は「つらい」というイメージが強いかもしれませんが、古橋医院では誰もが安心して受けられるよう万全の体制でお待ちしています。気になる症状や検査についての不安があれば、お気軽にお問い合わせください。検査の予約はインターネットでも可能です。正しい知識と検査で、大腸がんから身を守りましょう。
大腸がんは早期発見・早期治療で治癒率が高いがんです。。
生活習慣に気をつけながら、定期検査を受けることが大切です。
お一人で悩まずにぜひご相談ください。